家事按分の割合の決め方。6畳の仕事部屋なら、平均的な広さのマンション・アパートで家賃の約20%
2026年11月5日 / 出典は国税庁・総務省の公表資料と法令(ページ下)
6畳の仕事部屋なら、平均的な広さのマンション・アパートで家賃の約20%です。総務省の住宅の統計にある1住宅あたりの広さで計算すると、6畳の部屋は共同住宅(50.31㎡)の19.7%、一戸建て(126.32㎡)の7.8%でした。家事按分の割合に「何%まで」という決まりはなく、国税庁の手引きが示しているのは、使った面積や点灯時間などの基準で分けることです。この記事では、割合の決まりを条文と通達で確かめ、基準の選び方、仕事部屋の広さ別の割合、税務調査で見られることを順に見ていきます。
家事按分の割合に決まりはある?
家賃・電気代・スマホ代のように、仕事と私生活の両方に使う支出を家事関連費といいます。所得税法施行令第96条で、家事関連費のうち必要経費にできるのは次の部分です。
- 主な部分が業務に必要で、その必要な部分を明らかに区分できる場合の、その部分
- 青色申告の人は、取引の記録などで業務に直接必要だったと明らかにできる部分
「主な部分」について、所得税基本通達45−2では、業務に必要な部分が50%を超えるかどうかで判定することになっています。ただし50%以下でも、必要な部分を明らかに区分できる場合は、その部分を必要経費にしてよい、というのが通達の扱いです。条文にも通達にも、「何%まで」という上限や決まった割合は出てきません。決まっているのは、業務に使った部分を区分できるかどうかです。
割合を決める基準は面積・時間・距離
国税庁の「白色申告者の決算の手引き」は、家事関連費の家事分と事業分の区分を「使用面積や保険金額、点灯時間などの適切な基準によってあん分して計算します」としています。このサイトの計算ページで使う基準は、経費ごとに次のとおりです。
| 経費 | 割合の計算 |
|---|---|
| 家賃 | 仕事に使う場所の面積 ÷ 住まい全体の面積 |
| 電気代 | 家で仕事をしている時間 ÷ 家で起きて過ごす時間 |
| 通信費 | スマホ・ネットを仕事で使う時間 ÷ 使う時間の合計 |
| 車 | 仕事で走った距離 ÷ 走った距離の合計 |
仕事に使う場所を生活でも使っている場合(リビングの一角など)は、面積の割合に、その場所で仕事をする時間の割合を掛けます。
6畳の仕事部屋は家賃の何%?総務省の統計で計算
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」には、居住専用の住宅1戸あたりの延べ面積(居住室のほか、玄関・台所・トイレなどを含めた床面積の合計)が、建て方別に出ています。共同住宅は50.31㎡、一戸建ては126.32㎡です。仕事部屋の広さを畳から㎡に直し(この調査の換算と同じ、3.3㎡を2畳)、延べ面積に占める割合を計算すると次のとおりでした。
| 仕事部屋 | マンション・ アパート 50.31㎡ | 一戸建て 126.32㎡ |
|---|---|---|
| 4.5畳 | 14.8% | 5.9% |
| 6畳 | 19.7% | 7.8% |
| 8畳 | 26.2% | 10.4% |
マンション・アパートは共同住宅、一戸建ては一戸建の数字で、持ち家と借家の両方を含みます。
同じ6畳でも、分母に何を入れるかで割合は変わります。同じ調査の居住室の畳数(玄関・台所・トイレ・浴室などを含めない)は共同住宅で20.60畳で、これを分母にすると6畳の仕事部屋は29.1%です。根拠メモには、割合だけでなく「何㎡のうち何㎡」と分母も書いておくと、あとから計算をたどれます。
家事按分はバレる?税務調査で見られること
所得税基本通達45−1では、業務に必要な部分かどうかは、次のことを総合して判定するとしています。
- 業務の内容
- 経費の内容
- 家族と使用人の構成
- 店舗を兼ねた家屋など、資産の使い方
税務調査では、選ばれたあとに個々の経費について「何のために使ったか」を聞かれることがあります(税務調査でAIは何をしているのか?)。家事按分で答えの材料になるのは、割合をどう計算したかのメモと、間取り図・運転日誌・仕事をした時間の記録などの資料です。
国税庁の「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」によると、家事分を除いて記帳するのが原則で、年末に使い方に基づいて家事分をまとめて差し引く書き方も載っています。記載例では、摘要に「電気料金の家事分除外(140,000円×70%)」と書き、98,000円を差し引く形です。
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